ホームページ製作業・アフィリエイト業の確定申告のポイント

wmn0115-001.jpg

ホームページ製作業や、アフィリエイト業の確定申告について、ポイントをまとめてみました。

最近は、個人でネット関連の事業をされている方への税務調査が多いとお聞きしております。
ご参考にして頂き、余計な税金を払わないようお気をつけください。

 

収入の注意点

ホームページ製作業の場合

ホームページ製作業では、業務を開始する際、クライアント(依頼者)と、請負契約書を結ぶと思います。

請負契約書には、
「着手金を契約日から2週間以内に払うものとし、着手金の入金確認後、業務を開始するものとする。なお、既に支払った着手金は返金しないものとする」
といったように書かれていると思います。

この着手金は返さなくてよいものですから、もらった年の収入に計上します。

なお、仕事が途中でキャンセルになった場合に着手金を返金する、といった契約になっている場合は、まだ自分のお金になっていませんから、前受金として処理し、お仕事が終わった年の収入にします。

また、契約書には
「ホームページを納品後、2週間以内に残金を払う」
といった風にかかれているかと思います。

この場合は、納品した時の売上に計上します(残金の入金があった年ではありません)
特に、ホームページの納品が年末になって、残金の入金が翌年になった場合は注意してください。

所得税では「権利確定主義」という考え方で、収入の計上時期を判断しています。
要は、お金をもらう権利を得たか?ということで判断するんですね。

(詳しくは国税庁の所得税法基本通達36-8をご覧ください)

納品が終わったら、残金をもらう権利を獲得しましたよね。ですから、入金を待たないで売上にするんです。

 

アフィリエイト業の場合

アフィリエイト業の場合、事業所得になるか、雑所得になるかという問題があります。

事業所得も雑所得も、どちらも税金はかかるのですが、赤字が出た場合の取り扱いが異なります。

  • 事業所得・・・損益通算できる
  • 雑所得・・・・・損益通算できない

アフィリエイト収入よりも経費が多くなった場合、赤字が出ますが、事業所得の場合は赤字を他の収入と相殺できるんです。
ですから、赤字とお給料とを相殺すれば、お給料分の税金が戻ってきます。

対して、雑所得の場合は、収入の範囲内でしか経費になりませんから、赤字が出ても他の収入と相殺できません。
(ですが、アフィリエイトは原価がかかりませんから、赤字になること自体が少ないと思われます)

ところで、サラリーマンがアフィリエイトをしている場合、なるべく事業所得にして、赤字をお給料と相殺したい、とお考えの方もいるかと思います。

ですが、冷静に考えてみてください。事業とは何でしょうか?

事業とは本業で行っているということです。
     ↓
本業で行っているということは、当然、その収入で赤字になるはずないですよね?
(赤字ですと生活できませんから)
     ↓
ですから、サラリーマンがアフィリエイトをしている場合、ほとんどは副業となります。
     ↓
サラリーマンのアフィリエイト収入は雑所得になります。

これに対して、
「おれはアフィリエイトだけで食べている。他に全く事業をやっていない」
と言う方は、事業所得になるでしょう。

また、ご注意頂きたいのは、アフィリエイト収入をポイントでもらっている方です。
お金でもらっていないからとして、収入にあげていない方も多いのではないでしょうか?

ポイントで商品を買えますから、お金をもらっているのと同じ事ですよね。
ですから、ポイントがついたときに、事業所得または雑所得に入れて、確定申告が必要となります。

(サラリーマンは雑所得としてアフィリエイト収入を確定申告する必要がありますが、他の所得と合計して20万円以下であれば、確定申告不要となります)

 

経費になるもの・ならないもの

ホームページ製作業の場合

製作ソフト

ホームページ製作ソフト(movable type等)は、無形減価償却資産(ソフトウェア)になり、5年間で経費にするのが原則です。

ですが、ほとんどのホームページ製作ソフトは、30万円未満でしょうから、この場合は購入金額全額を、購入した年の経費にすることができます。
(少額減価償却費の特例)

人を雇っている場合

ホームページ製作業だけでなく、他の業種にも言えるのですが、人を雇ったことにして架空のお給料を経費にする方もいらっしゃいます。
税務署も、税務調査の際は架空人件費がないか調べますので、次のような対策をしておきましょう。

  • 給与は現金で渡さず振込にする(証拠を残す)
  • 扶養控除等申告書に、きちんと署名押印をもらう(実在人物かの証明)

また、給料から天引きする源泉所得税については、納期の特例の届け出を出して、毎月納付から半年ごとの納付に切り換えておきましょう。

なお、社会保険は従業員5人未満であれば、加入する必要はありません。
(雇用保険は加入義務があります)

青色専従者給与

奥様に事業を手伝ってもらっている場合は、事前に届け出をしていれば、お給料を経費にできます。
ですが、きちんと払っていること、その事業に専念していることが要件です。
ただし、配偶者控除が使えなくなりますから、どちらがトクかシミュレーションしてから行いましょう。

交際費

会社の場合は、経費にできる交際費の上限が決まっているのですが、個人事業の場合は、交際費の上限はありません。
ですので、飲食費の領収書は、なるべく交際費としたいところです。

ですが、事業をするために必要な費用でないと経費になりません。

ホームページ製作業では、顧客との打ち合わせ食事、見込み客への接待等が考えられますが、あまりにも高額になりますと認められない部分が出てきます。
数年後にくるかもしれない税務調査に備えて、領収書には、誰と打ち合わせしたか、どんな内容の打ち合わせをしたか、鉛筆でいいですから、きちんとメモしておきましょう。

生活費のうち経費になるものを洗い出す

自宅で開業されている方は、仕事スペースと生活スペースをきちんと区分すれば、仕事スペース分の家賃は経費にすることができます。

また、光熱費や携帯代も、合理的な基準で按分すれば、仕事分を経費にできます。

また、ホームページ製作関連の書籍は当然経費になりますし、定期購読している雑誌も、ホームページに関連しているものであれば経費になります。

細かい経費を集計するのは面倒ですが、個人事業の場合、所得税の金額が住民税や健康保険料にも連動してくるため、影響は大きいです、

きっちりと経費を計上しましょう。

アフィリエイト業の場合

アフィリエイト業では、はっきり言いまして、ほとんど経費になるものはありません。

強いて言えば・・・

  • アフィリエイト専門のノートパソコン
  • サーバー使用料
  • 関連書籍

といったところでしょうか。
アフィリエイト業では、情報交換のための打ち合わせ食事も、お仕事につながることが証明できれば経費として認められると思います。ですが、その範囲はとても狭いと思います。
ですから、領収書に、誰と打ち合わせたのか、どんな情報をもらったのかを、きちんとメモしておきましょう。

 

消費税の注意点

ホームページ製作業、アフィリエイト業、ともに消費税はかかります。

具体的には、2年前の売上が1,000万円を超えたら、その年は消費税の納税義務が発生します。

消費税は、
「売上で預かった消費税-経費として支払った消費税」
で計算するのが原則です。

ホームページ製作業、アフィリエイト業ともに、経費はあるんでしょうが、「消費税がかかっている経費」は、ほとんどないはずです。
(人件費は消費税がかかりませんから、引けないんです)

そうなると、売上のほとんどが消費税の対象になり、多くの消費税を納めなければなりません。

ですが、2年前の売上が5,000万円以下であれば、簡易課税という方法で計算できます。

簡易課税では、売上だけで消費税を計算します。
ホームページ製作業、アフィリエイト業ともに簡易課税の業種区分は第5種になりますから、50%を控除できます。
結果として、売上時に預かった消費税の約5割を納めることになります。

簡易課税は、適用を受けようとする年の前年までに提出しなければなりません。
遅れた場合は、課税期間の短縮といった方法で対応できる場合もありますが、手間がかかります。
提出漏れのないよう、気をつけてください。

 

今はほとんどの情報をネットでとることができます。
税金の解説ページ等も数多くあるんですが、色々な間違いや誤解が多く見受けられます。

損をしたくない方、節税をお考えの方は、税理士に依頼した方が安くなる場合もあるかと思います。
税金でお悩みの方はご相談ください。

当事務所の無料面談相談をご利用ください。