難しい事の調べ方

こんにちは。中央区の税理士、石橋です。

最近、仲間の税理士から、
「分からない事、難しい事をどうやって調べているんですか?」
ということを、よく聞かれます。

税理士ごとに色々な方法がありますが、私が実践していることを、少し書いてみたいと思います。

1.複数の税務雑誌を購読する

税理士向けの専門書はいくつも発行、発刊されています。
そのなかで、私が購入しているのが、次の雑誌です。

  • 税務通信(週刊)
  • T&Aマスター(週刊)
  • 税務QA(月刊)
  • 税研(季刊)
  • 大手出版社の加除式書籍

以前は、もっと購読していたのですが、情報密度や効率を考えて、これらの雑誌だけになりました。
これらの雑誌に目を通し、必要な部分は付箋を貼っておく。これは税理士としての最低限必要なことだと思っています。

2.大型の本屋に定期的に通って購入する

私は、日本橋の丸善という大型の本屋さんによくいきます。
(丸善さんは、中央区日本橋にあります。)
ここには、税金の本が数多く揃えられていて、品揃えも頻繁に変わります。

13-日本橋丸善.jpg

ここを毎月チェックすることにより、最近の税務のトレンドや傾向を知ることができます。
最近はアマゾンでも購入できるようになりましたが、税金の本は、読んでみませんと価値が分かりません。
1冊何千円もするのですから、読んでから買いたいですよね。

また、大蔵財務協会という出版社の書籍のなかには、税務署の職員さんが書いている、いわば教科書的な本があります。
これらの本には、「しまった、書きすぎたかな?」ということで、翌年発行される本からは、その表現が削除されているものもあります。
ですから、同じ本でも、できれば毎年目を通した方がよいということになります。

3.国税庁のサイトを見る

国税庁のサイトは、数年前からかなり充実してきました。
例えば、次のような表記があります。

言書の内容と異なる遺産分割をした場合の相続税と贈与税

この記事は2年~3年前に掲載されたものですが、税理士の以前からの疑問に答えたものでもあります。
この内容は、書いてあることは、一般人からすると当たり前なのですが、税理士にからすると、「おお!」という内容でもあります。

遺言書があった場合で、その遺言書が包括遺贈とされた場合、放棄したい方は、原則として相続開始から3ヶ月以内に、家庭裁判所に相続放棄の手続きをする必要があります。
そうしないと、原則として、遺言書を認めたことになってしまいます。
ですが、わざわざそのような手続きをしなくても、遺言書に書かれている人が集まって話し合いをすれば、税務もそれも認めるよ、という事を、親切に説明してくれているのです。
遺言書通りにしないで遺産分割をして財産を分ける、という行為は以前から行われてはいましたが、税務面の不安を解消してくれる、良い記事だと思います。

4.国税不服審判所のサイトを徹底的に見る

国税不服審判所のサイトは、公表裁決事例が掲載されています。

税務署と納税者とが争ったとき、裁判の前に、国税不服審判所という場所で、税金に詳しい専門家に判断してもらうことがあります。
この記録を、国は公開しているのです。
これを読むと、色々なストーリーが想像できます・・・。

以前は、税務署に有利なものしか掲載されない傾向があったのですが、最近は納税者有利なものの掲載も増えてきました。
公表裁決事例は膨大にありますから、自分の探している事例を見つけるのは骨が折れます。
ですが、そこが若手税理士の腕の見せ所でしょう。
実際に、私もこの裁決事例を税務署員に見せて、ご説明したところ、ご納得頂けたことがありました。

5.TAINSを上手く利用する

TAINS(タインズ)とは、税理士だけが利用できる有料データーベースです。
これには、色々な情報が掲載されています。

  • 国税不服審判所の非公開採決
  • 税務署の非公開だった内部マニュアル
  • 過去の税務判例の要約

TAINSの運営団体の方は、情報公開法を使って、国へ情報公開請求をして、色々な内部資料を取り寄せてくださっています。

このなかで非公開採決というものがあります。
これは、その名の通り、公開されていない国税不服審判所の採決になります。
これも情報公開請求で、役所から取り寄せたものになります。
プライバシー保護のため、名前や金額が黒く塗りつぶされているものもありますが、自分の探している事案について、当てはまるものがないか探します。

また、税務署の内部マニュアル的なものもあります。
これには、「**という判決があったから今後は売上のもれに気をつけて調査するように」といった、数多くの通達事項が掲載されています。
ここでは書けないような、面白い?情報も多数見つかることもありますし、税務署が今何を注視しているのか、その傾向も分かります。

過去の税務判例の要約も大切です。
私も、お客様の売掛金の貸し倒れで悩んでいるときに、ぴったりの判例を見つけ、税務署に交渉したところ、税金を戻して貰えたことがありました。
これらの情報を探すためには、ある程度の検索テクニックが必要です。

6.大崎の図書館に行く

大崎の日本税理士会館のなかに、租税図書館というところがあります。
ここには、日本で発刊されている税務書籍の大半が収納されていて、一般の方も見ることが出来ます。

私が特に参考にするのが、過去の税務雑誌です。
最近しらべたのは、20年ほど前の譲渡所得の記事です。
譲渡所得の取り扱いはとても難しく、法律を読んでも判断に迷うことが多いです。

そんなとき、過去の税務雑誌が役に立ちます。
税務雑誌の記事の多くは、国税庁等に取材して書いていますから、基本的には正しいです(ごくたまに、まちがっていることもありますが)。
そのため、数十年前の記事の中に、自分の探している取り扱いがのっていることがあるのです。
探すのが大変ですが、見つけたときは、やった~、という気持ちになりますね。

なお、これでも見つからない場合は、国会図書館に行って探すというのも手だと思います。

7.税理士向けのセミナーに通う

税金は、毎年改正されます。
本で勉強するのは、どうしても限界がありますから、セミナーに通っている税理士も多いです。

私も、税理士向けのセミナーに通っています。
税理士向けのセミナーには、「税理士会が主催しているセミナー」と「民間会社が主催しているセミナー」の2つがあります。

私がよく参加しているのは、民間会社(例えば税務研究会といった会社)が主催しているセミナーです。
というのも、税理士会が主催しているセミナーですと、いろいろなしがらみがあって、講師の先生も、あまり突っ込んだお話しをされないんですよね・・・。
(誰が聞いているかわかりませんから)
こちらが聞きたいのは、表に出せないような、ギリギリのお話しなんです。

民間会社のセミナーは、1回3万円程度のものが多く、お金はかかりますが(税理士会主催のものは基本的に無料)、とても有益だと思います。

8.それでもダメなら、年配の税理士先生に聞く

年配の税理士先生は、当然、色々なご経験をされていらっしゃいます。

最新の税法は、若い税理士の方が詳しいと思いますが、
「どこまでだったら税務署は許してくれるかなぁ」
といった、いわば、さじかげんの部分についてのご意見は、とても参考になります。

色々書いて来ましたら、これらを実践するためには、お金と時間が必要です。

お金は、年間100万円くらい?でしょうか。場合によってはもっとかかるかもしれません。
ですが、我々税理士は、知識を売ってお金を頂いているのですから、ここにはお金を使うべきでしょう。

問題は、時間です。
これらを全て実践するとなると、土日もある程度は使わないと無理です。
ですが、そうしませんと、お客様をお守りできないと思うんですね。

逆に、上記のことを実行すれば、分からない事がどんどん減ってきて、むしろ楽しく?なってくると思います。
(仕事人間と言われるかもしれませんが)

税理士も、単なる記帳代行や決算申告だけでは、差別化は図れません。
是非、勉強をして、他の税理士よりも一歩も二歩も先を行きましょう!

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